400周年へ機運高め 長崎・中通り商店街 26日までフェア 市民向け講座など計画

発祥400年に向けて催しをスタートさせた長崎市中通り商店街振興組合の近金代表理事

 長崎市中心部の中通り商店街で、発祥400年を迎える2025年に向け機運を盛り上げていこうと、フラッグの飾り付けやイベントなどさまざまな取り組みがスタートしている。26日まで商品券が当たる「スプリングフェア」を開催。商店や歴史をテーマにした市民向けの講座などを計画している。
 同商店街は、浜町側の同市古川町から八幡町まで続く「中通り」のうち、諏訪町までの約400メートル。通称「アルコア中通り」と呼ばれ、「長崎で最も古い商店街」として親しまれている。中通り商店街振興組合によると、江戸初期の1625(寛永2)年、中通り近くにあった諏訪神社と市内の森崎、住吉の両神社が合祀(ごうし)され、上西山町に諏訪神社として再興されたころから、神社や近くの寺院に通う人でにぎわいが生まれた。
 周辺に職人町があり、旧長崎街道につながる物流の道としての役割も果たしながら商店街に発展。道幅約6メートルは当時と変わらず、通りやその周辺に約80棟の町家も残る。

 400周年に向けた取り組みは約50事業者が加盟する同組合が企画。2月末から「四百年商店街」のフラッグを通りに掲げ、今月1日にスプリングフェアをスタート。来月以降、ホームページをリニューアルし、会員制交流サイト(SNS)と連動させて情報発信を充実させるほか、加盟店の仕事のノウハウや長崎くんちなどの伝統文化を学べる「まちの学校」と題した講座も計画している。
 町家風の外観の果物店を営む同組合の近金栄治代表理事(61)は「まずは歴史ある商店街のたたずまいを感じてほしい」とPR。企画・広報を担当する岩崎直哉さん(69)は「再開発が進んでも、ここが街の核心部分であることをアピールしていきたい」と話した。


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