脱原発訴え、長崎で集会 福島事故11年を前に 露のウクライナ原発砲撃に危機感

集会のあいさつで、原発の危険性を訴える川原氏=長崎市桜町、県勤労福祉会館

 東京電力福島第1原発事故から11年となるのを前に、脱原発を訴える「フクシマを忘れない!さようなら原発ナガサキ集会」(実行委主催)が5日、長崎市内であり、「全ての原発停止・廃炉と再生可能エネルギー推進を求める」とする集会アピールを採択した。
 約60人が参加。実行委の構成団体の一つ、「原発なしで暮らしたい・長崎の会」世話人の川原重信氏(68)はあいさつで、ロシアがウクライナの原発を砲撃したことに言及。「今回の砲撃は原発を抱える社会の危うさを浮き彫りにした。存在するだけで、攻撃対象となってしまう」と危機感をあらわにした。
 オンライン講演した福島県の精神科医、蟻塚亮二氏は、原発事故により福島県の被災者は避難を繰り返し、ストレスを抱えていると指摘。東日本大震災直後と同様に、今も将来が見通せずつらさを感じている人が多いとして「時間は止まったまま。当時から何ら変わっていない」と訴えた。


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