タイムカプセル開封も、コロナで元児童立ち会えず 横浜・山下小「手元に『思い出』戻したい」

開封されたタイムカプセルの中身を前にする斎藤さん(右)と同封されていた「神奈川新聞」を手にする本間さん=横浜市内

 今年創立150周年を迎える横浜市立山下小学校(緑区北八朔町)で2月、約20年前に校庭に埋められた「タイムカプセル」が掘り出された。新型コロナウイルスの影響で、当時の児童は立ち会うことができず、数々の「思い出」は手付かずのままだった。元校長らは「一人でも多くの人に『思い出』を手元に戻してあげたい」と話している。

 カプセルは2003年3月26日、創立130周年を記念し、全校児童約970人の思い思いの品物を入れて埋められた。

 多くの児童の記憶に残るよう「2並び」となる22年2月22日午後2時に掘り出す計画だった。

 ところがコロナ禍で集まることがかなわず、14~17日に掛けて当時、校長だった斎藤新さん(75)や地域住民らの手によって掘り出された。

 歴代の校長が脈々と引き継いできた地図を元に校庭を「捜索」、電動ドリルやハンマーなどを使って、全てを掘り起こすのに3日間かかったという。

 中身の保存状態は良く、当時の手紙やVHSテープ、学校だよりがそのままの状態で出てきたほか、カプセルを埋めた当日の神奈川新聞も中から見つかった。

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