若草町の子育て支援センター ブリックホールに移転 長崎市、当初予算案可決

 定例長崎市議会は8日、総務、教育厚生、環境経済、建設水道の4常任委員会を続けた。教育厚生委の審査は「淵・緑が丘区域子育て支援センター」(若草町)を長崎ブリックホール(茂里町)内に移転する計画を巡り「文化施設に子育て関連施設を入居させるのは疑問」などの慎重意見が相次いだが、この事業費を盛り込んだ2022年度一般会計当初予算案を賛成多数で可決した。
 同センターは築約60年が経過し老朽化。市は区域内で活用できる市有施設を検討し、長崎ブリックホール1階の旧レストラン部分を適地と判断。市によると、多くの利用者が移転に好意的という。レストランは14年に撤退。現在は誰でも利用できる交流スペースとなっている。市は当初予算案に移転改修費2200万円を計上。来年3月の供用開始を目指す。
 だが複数の委員が文化施設の活用方法として疑問視。市側は、子育て関連施設と同居させる事例が他都市でもある上、「子どもの頃から文化芸術に触れられる」と利点を強調した。
 これに対し、委員からは「センターの必要性は十分理解する」としつつも、「ちぐはぐ感がある」「レストランは文化施設に備えておくべき機能」などの意見が相次いだ。
 同センターに関する審査は3日に始まり、委員が市側に説明を求め、たびたび中断。8日の討論では、当初予算案に賛成した委員も「事前調査と関係者との綿密な調整をした上で提案すべきだった」と市側に苦言を呈した。


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