クマの「里山風景」を再現 佐世保・森きらら 野生での行動や習性見られる

クマが本来生息する里山の風景を再現した展示場=佐世保市、森きらら

 九十九島動植物園(森きらら、長崎県佐世保市船越町)のニホンツキノワグマ展示場が新しく生まれ変わった。クマが快適にすごせるよう本来生息する里山の風景を再現した。
 現在同園で飼育されているのは、雄の豪詩と雌の美海の2頭。以前の展示場は、地面が全面コンクリートで夏は暑く冬は寒い状態で、飼育されている2頭にとって快適といえない環境だった。
 そこで、開園60周年を記念して昨年7月から約2カ月かけてクラウドファンディングに取り組み、目標額850万円を達成。今年1月に着工し、2月末に完了した。
 地面に約30センチの盛り土をし、自然石を設置。カシなどの低木植栽も行った。2頭は、木に登り枝をかじったり、土を掘ったりするなど野生での行動や習性を見せ、来園者を楽しませている。
 同園の動植物園事業部次長の福田久美子さんは「たくさんの方に支えられている園なのだと改めて感じた。支援いただいた皆さんに恩返しをしたいし、豪詩も美海も、整った展示場で伸び伸びと暮らして長生きしてほしい」と話した。


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