門出の風船、青空へ 県内公立中で卒業式 1万1100人巣立ち 長崎・緑が丘中

県内ほとんどの公立中学校で15日、卒業式があった。長崎市立緑が丘中の卒業生は校庭で風船約400個を飛ばした。青空に舞う色とりどりの風船には、祝福と平和の祈りが込められた

 長崎県内ほとんどの公立中学校で15日、卒業式があり、約1万1100人が学びやを巣立った。新型コロナウイルス感染防止のため、各校は式の時間を短縮するなどの対応を取った。
 長崎市立緑が丘中(中村和久校長、282人)は換気のため窓を開けて開催。中村校長は「未来の社会のために貢献できる大人へと成長してほしい」と激励した。卒業生を代表して中島健翔(けんと)さん(15)と森下実咲さん(15)が並んで門出の言葉を述べた。コロナ禍で修学旅行が日帰りになるなどの影響がありながら「かけがえのない仲間と過ごした時間は一生の宝物」と振り返り、「中学校生活での経験を生かして自分の道を進んでいこう」と呼び掛けた。生徒らは時折、マスクをたくし上げながら校歌を歌い、あふれる涙を手で拭った。
 式後、生徒らは校庭に集まり、赤や黄など色とりどりの風船約400個を青空に飛ばした。同校PTAが卒業を祝って企画し、ロシアがウクライナに侵攻しているため平和の祈りを込めた。堀田敏郎会長(40)は生徒らに「平和を発信していける大人になってください」と呼び掛けた。

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