「緊張感を楽しめた」長崎南・森が日本一 ライフル射撃

決勝で自己ベストの249.5点をマークして優勝した森(長崎南)=津市、三重県ライフル射撃場

 ここ一番で集中力を発揮した。ライフル射撃のビームライフル男子立射を制した森(長崎南)。決勝は自己ベストとなる249.5点をマークした。昨夏の全国高校選手権の団体に続き、春も個人で頂点に立った1年生は「緊張感を楽しめた。うれしい」と素直に喜んだ。
 本選は硬さが出て、621.4点で7位と不本意な成績だった。それでも「最後の8人に残れればいい」と気持ちを切り替えると、約3時間後に行われた決勝は10点台を連発。最後も10.4点を打ち抜き、日本一を決定づけた。
 戸町小の高学年時から競技を始めた。当時は「あまり好きではなかった」が、結果が出るようになると、その魅力にはまった。県小江原射撃場に通って腕を磨き、3年前の鹿児島国体リハーサル大会で8位。長崎南に入学後、夏の九州高校選手権で団体、個人の2冠に輝き、全国での団体Vにつなげた。
 近藤監督が「謙虚にこつこつやっている」と評する努力家。大会前、コロナ禍で思うように練習できなくても、走り込みや体幹トレーニングで持久力を高めた。長崎県ライフル射撃界のホープは「練習から1発1発を大切にするよう心がけている。夏は団体V2、個人も優勝を狙う」と早くも照準を合わせていた。

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