みんなにやさしいトイレを 長崎でセミナー 性的少数者への配慮促す

オンラインで講演する日野さん(上)と白倉さん

 長崎市の市民グループ「みんなにやさしいトイレ会議」実行委員会(竹中晴美委員長)は21日、「多様性とトイレのあり方」をテーマにしたオンラインセミナーを開催。約50人が参加し、性自認にかかわらず誰もが利用しやすいトイレについて考えた。
 住宅設備大手LIXIL(リクシル)の日野晶子さんは、金沢大などと取り組む「オフィストイレのオールジェンダー利用に関する研究会」を紹介。戸籍の性別と性自認が異なるトランスジェンダーなど、性的少数者を対象にした調査結果などを基に「利用するたびに迷いや不安を感じ、気を遣うなどアクセス自体が問題になる場合がある」と指摘した。その上で「一人一人の性自認やプライバシーが尊重され、意思に沿う選択肢があり、利用しやすい環境を整えることが重要。トイレへのアクセスは基本的人権」と話した。
 日本トイレ協会運営委員の白倉正子さんは「世界に通用するトイレの専門家になりたい」と26年前に「アントイレプランナー」を起業。商品開発や調査研究などを行い、多くのテレビ番組にも出演している。長崎市内の公共トイレを巡った感想として「臭いや壁の汚れが気になった。観光客のためにもメンテナンスに力を入れてほしい」と提言した。

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