“暴力のない社会を” 伊藤長崎市長銃撃15年 「いのちを守る」市民集会

「暴力のない社会を」と訴える田上市長(左)=長崎市魚の町、長崎市民会館

 2007年、長崎市長だった伊藤一長氏=当時(61)=が市長選期間中に射殺された事件から17日で15年を迎えるのを前に、事件を機に発足した「暴力追放『いのちを守る』長崎市民会議」(会長・田上富久市長)は16日、同市内で市民集会を開いた。参加者約200人は安全安心な町づくりへ決意を新たにした。
 田上市長はロシアによるウクライナ侵攻に触れ「多くの罪のない市民の命が失われている。暴力のない社会をつくっていこうという声を上げ続ける必要がある」とあいさつした。参加者は「国際平和文化都市である長崎からあらゆる暴力を排除することを決意し、暴力追放の輪を広げる」などとする宣言を確認した。
 集会では県警組織犯罪対策課の下田健一課長がニセ電話詐欺について講話。詐欺は暴力団の資金源になっており「(詐欺)被害に遭わないことが暴力団組織の弱体化につながる」と警戒を呼びかけた。集会後、青色回転灯を載せたパトロール車両(青パト)による見回りに取り組む同市内の14団体が町中を巡回した。
 行政機関や防犯団体などでつくる会議は08年に発足。新型コロナウイルス対策のため例年実施していた参加者のパレードは取りやめた。


© 株式会社長崎新聞社