
「議会軽視だ」。19日の長崎県議会総務委員会では、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の整備計画案に資金調達先が明示されず、厳しい意見が飛ぶ場面もあった。県はコミットメントレター(融資・出資の意思表明書)が提出されているなどと強調し、釈明に追われた。
県とIR設置運営事業予定者「カジノオーストリアインターナショナルジャパン」(CAIJ)は3月の県議会への説明で、資金調達先は「4月中旬までに示す」としていた。IR誘致を目指す大阪府・市、和歌山県は公表している。
委員外で質問した小林克敏議員(自民・県民会議)は「(計画の)根幹に関わる資金調達が明らかになっていない。議会軽視も甚だしい」と語気を強めた。
同様に委員外の堀江ひとみ議員(共産)も、融資を取りまとめる主幹事の金融機関が決まっていないと指摘。「現時点で資金調達のスタートにすら立っていないのではないか」と疑問をぶつけた。
県は「計画実現の蓋然(がいぜん)性がある」などと強調したが、田中愛国委員(自民)は「あなたたち(県)を信用するしかない」とやんわり批判。江真奈美委員(自民)は「レターの数だけでも言えないのか」、中村一三委員(自民)も「黒塗りでもいいからレターを示せないのか」と求めたが、県は応じなかった。
浦真樹企画部長は「厳しい指摘は真摯(しんし)に受け止める。資金調達先の開示はぎりぎりまで検討したが、(現時点では)実現できなかった。強く責任を感じている」と理解を求めた。