初節句祝う「武者のぼり」 生産大詰め 佐世保・川口家染工場

戦国武将などが描かれ、子どもたちの健やかな成長を願う「武者のぼり」=佐世保市、川口家染工場

 端午の節句を前に、長崎県佐世保市相浦町の川口家染工場(川口直一郎社長)で、初節句を祝う「武者のぼり」の生産が大詰めを迎えている。
 創業120年の歴史を持つ同社の伝統の染め物。白い布に型紙と肌色ののりを使って絵柄の下絵を描き、はけで染色。乾燥後、のりを水で洗い流すと絵柄がくっきりと浮かび上がる。天日干しなどの工程を重ね、最後に絵柄の顔をりりしく描き完成となる。
 のぼりは最大で縦7.5メートル、幅0.7メートル。豊臣秀吉や川中島の戦いを題材にした武者絵など約20種類の絵柄がある。近年、少子化などの影響で注文は減少。ピーク時は200本ほどあったが、今年は30本程度にとどまった。4代目の川口社長は「お子さんの健康、ご家族の笑顔を願いながら伝統を守りたい」と話した。


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