新型護衛艦「もがみ」就役 三菱長崎造船所で引き渡し式

新型護衛艦もがみに乗艦する海自隊員=長崎市、三菱重工業長崎造船所

 三菱重工業長崎造船所で建造された護衛艦もがみ(3900トン)が28日、防衛省に引き渡され就役した。新型多機能フリーゲート艦(FFM)の1番艦。海上自衛隊の護衛艦として初めて機雷掃討機能を導入した。
 海自によると、全長133メートル、幅16.3メートル。従来の護衛艦よりもコンパクトになった。エンジンはガスタービンとディーゼルを併用し、最大速力約30ノット。岡山県玉野市の三菱重工マリタイムシステムズで建造した2番艦くまのは3月22日に就役しており、2隻合わせた建造費は約1055億円。
 乗員は関健太郎艦長ら約90人(うち女性約10人)で、同規模艦の150人と比べ省人化した。神奈川県横須賀市の海自横須賀基地の掃海隊群に配備。平時の警戒監視に加え、対潜水艦戦や対空戦、対水上戦のほか、掃海艦艇が従来担う対機雷戦(敷設、除去、捜索)にも活用する。
 長崎市飽の浦町の長崎造船所本工場であった引き渡し式には約100人が出席。乗組員は国歌の演奏に合わせて、授与された自衛艦旗を艦尾に掲げた。鬼木誠防衛副大臣は「この艦の性能をいかんなく発揮し、伝統あるわが国水上艦部隊をけん引してほしい」と訓示した。
 海自によると現在、もがみ型は8隻建造中。うち6隻を長崎で建造する。

 


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