長崎外国語大 創設者を特集 「新長崎学研究センター紀要」初刊行

「新長崎学研究センター紀要」創刊号の表紙

 長崎外国語大(長崎市)は3月、「新長崎学研究センター紀要」(年1回発行)創刊号を出版した。同大創設者の青山武雄(1906~74年)を特集。青山の長男で同大元副理事長の愷(やすし)氏による年譜、同大の前身、長崎外国語短大の誕生に関する寄稿などを収載している。
 同センター(センター長・姫野順一学長)は2016年開設。歴史にとどまらずキリスト教、国際性、平和といったキーワードに基づく長崎の地域研究を目的に、同大の全教職員と外部の客員研究員らでつくっている。
 同大は太平洋戦争終戦後の1945年12月、長崎馬町教会の牧師だった青山武雄らが再建した「長崎キリスト教青年会(長崎YMCA)」を母体に、47年発足した長崎外国語学校が起源。50年発足の同短大を経て2001年、4年制大に移行した。年譜・寄稿はこうした経緯の克明な記録。
 講演録は20年11月、開学20周年記念事業の一環で開かれた同センター講演会から、キリスト教史専門の中島耕二・同センター客員研究員による「フルベッキ博士の生涯と日本の近代化」を収載。幕末の長崎などで英語教育に従事したオランダ人宣教師フルベッキ(1830~98年)の生涯を概観した。ほかに学術論文4件、研究ノート2件。
 B5判197ページ。紀要は同大ホームページで閲覧可能。


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