インスタントドライイーストとベーキングパウダーの違い

インスタントドライイーストとベーキングパウダーの違い

インスタントドライイーストとベーキングパウダーの違いとは?

パンやお菓子を作るときに、必ずといっていいほどレシピに登場する材料「インスタントドライイースト」と「ベーキングパウダー」。 どちらも生地を膨らますためには欠かせない材料ですが、この二つの違いをご存じでしょうか。 今回は、二つの違いやなぜ使い分けされるのか、について解説していきます。

インスタントドライイーストとは

インスタントドライイーストってどんなもの?

「イースト」とは、パンを作る時に生地を膨らませる「酵母」のこと。 インスタントドライイーストは、自然界に存在するパン作りに適した菌を人工的に培養し、熱処理をして顆粒状にしたもの。予備発酵の必要がないので、直接生地に加えることができます。

膨らむ力が強く、ふわふわやわらかな仕上がりになります。

膨らむ仕組み

インスタントドライイーストが生地中の糖分を分解して炭酸ガスとアルコールを発生させ、その炭酸ガスをグルテン膜の中に保持することによって生地を膨らませます。 菌であるインスタントドライイーストが発酵して炭酸ガスを出すまでには時間がかかるため、生地を寝かせる時間と温度管理が必要になるのです。

インスタントドライイーストの保存方法

インスタントドライイーストは、開封したら密封して冷蔵庫か冷凍庫で保存します。 常温で保存すると、イースト菌は生きているので発酵が進み、膨らませる力が弱くなってしまうからです。 使いきれないときは冷凍保存し、使う分だけを冷蔵庫に移しながら使うとよいでしょう。 空気を抜いてしっかりと密封し、乾燥した状態を保てるように保存するのがポイントです。

ベーキングパウダーとは

ベーキングパウダーってどんなもの?

ベーキングパウダーとは、焼き菓子などに入れる「合成膨張剤」のこと。 膨らみの元になる炭酸水素ナトリウム(重曹)・酸性剤・遮断剤で構成されます。

重曹はアルカリ性の物質であるため、生地が黄色っぽい仕上がりになったり、食べたときに苦みがでたりする性質があります。 そのため、一緒に配合する酸性剤には、それらを防ぐ役割が。酸性剤は、第一リン酸カルシウムや酒石酸水素カリウムなどさまざまです。 遮断剤は、コーンスターチなどのデンプン類。炭酸水素ナトリウムと酸性剤が、保管中に反応してしまうのを防ぐために配合されています。 膨らむ力はイーストほど強くなく、サクサクとした軽い食感に仕上がります。

膨らむ仕組み

ベーキングパウダーは水分と熱によって化学反応を起こして炭酸ガスを発生させ、生地を膨らませます。 生地を寝かせる必要はなく、すぐに成形や焼成に取り掛かれます。むしろ、ベーキングパウダーが入った生地は水分に反応してどんどん炭酸ガスが発生してしまうため、長時間寝かせることはせず、なるべく早めに焼成するのがポイントです。

ベーキングパウダーの保存方法

ベーキングパウダーは、開封したら密閉し、冷暗所で保存します。 水分や空気・熱と反応する性質があり、反応してしまったものは膨らまなくなってしまうからです。 フタをきちんと閉め、密閉袋に入れて冷暗所に。乾燥剤を入れておくとより安心です。 開封後は徐々に品質が劣化していくので、1〜2か月を目安に使い切りましょう。 冷蔵庫での保存はNG。扉の開閉時の温度差によって、容器内に結露が生じてしまうのでよくありません。

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ベーキングパウダーの一覧

特徴に合った主な使い方

インスタントドライイーストが菌であるのに対して、ベーキングパウダーは重曹に酸性剤と遮断剤を加えた膨張剤。 どちらも炭酸ガスを発生させて生地を膨らませるのは同じですが、膨らむ仕組みが異なるため仕上がりに違いが出ます。 インスタントドライイーストは発酵の過程で、ベーキングパウダーは水分と熱を加える過程で膨らむのが特徴です。

インスタントドライイーストを使えば、ふっくら・もちもちの弾力がある生地に。 主な用途は、やはりパンですね♪

ベーキングパウダーを使えば、サクサクとした軽い食感の生地に仕上がります。 主な用途は、マフィンやスコーン、パンケーキなどの焼き菓子類♪

中には、中華まんや割包(グワパオ)など、インスタントドライイーストとベーキングパウダーを併用するものも。 これらの蒸しパンは、両者のいいとこどり製法。 薄力粉の配合が多いので、ふわっと軽い食感を出すためにベーキングパウダーを。そこにイーストを併用することで、発酵によるうま味と風味もプラス♪ 時短で作りたいときは、ベーキングパウダーだけで作っても◎

違いを知って、使い分けよう!

インスタントドライイーストとベーキングパウダーの違い、ご理解いただけたでしょうか。 グルテンが多く粘り気が強い生地になる強力粉を多く使ったパンには、インスタントドライイーストを。 グルテンが少なく、軽い生地になる薄力粉を多く使ったお菓子や蒸しパンなどには、ベーキングパウダーを。 それぞれの特徴に合わせて、おいしいパンやお菓子を作りたいですね♪

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