隠元禅師の功績に思いはせ 日本に煎茶を広める 長崎・興福寺で茶市

隠元禅師の足跡について講演する原田会長(左)=長崎市、興福寺

 日本に煎茶を広めた隠元禅師のことを知ってもらおうと長崎市寺町の興福寺(松尾法道住職)で15日、茶市が開かれた。隠元の足跡を伝える講演や東彼東彼杵町の「そのぎ茶」を使った商品の販売などがあった。
 隠元(1592~1673年)は中国福建省生まれ。54年に長崎へ渡り同寺の住職などを務め、朝廷や江戸幕府の信頼を得た。黄檗(おうばく)宗を開き、煎茶や明朝(みんちょう)体文字などを伝えたことで知られている。
 献茶式の後、長崎史談会の原田博二会長が隠元の生涯について講演。長崎の僧らが中国の隠元に複数回、来崎を望む手紙を送ったとして「いかに隠元が来ることを待望していたか。この熱意に押されて隠元は長崎に行こうと決意したと思う」と話した。
 境内では中国から伝来した釜で茶葉をいる「釜いり茶」の体験会や、そのぎ茶を生かしたおにぎりの販売などがあった。松尾住職は「長崎にはいいお茶があるということや、隠元についても知ってほしい」と話した。


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