「被爆者認定対象に体験者も」長崎原援協、国に要望へ 「黒い雨」新基準

 長崎市と市議会でつくる長崎原子爆弾被爆者援護強化対策協議会(原援協、会長・武田敏明副市長)は9日、被爆者認定の新基準の対象に長崎原爆に遭った「被爆体験者」を加えるよう国に求めることを決めた。20日に厚生労働省に要望する予定。
 広島原爆の「黒い雨」被害の救済に向け厚労省は4月、新基準の運用を開始。対象は広島原爆の黒い雨に遭った人に限定している。長崎の被爆地域外でも黒い雨や灰が降ったとの証言があるが、国が定める被爆地域の外で長崎原爆に遭った被爆体験者は対象外とし、県や長崎市と協議を続けている。
 原援協事務局の市原爆被爆対策部の阿波村功一次長は、証言資料などを基に「広島と同じ状況にあったと強く訴えたい」と語った。このほか、爆心地から半径12キロ圏内を被爆地域と認めることや被爆者救済の立場に立った原爆症認定制度の運用、被爆2世健康診断の充実なども本年度の要望事項に盛り込んだ。


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