「一人一人が伝承者に」 高校生平和大使、活動へ決意  広島で結団式

結団式で決意を新たにした第25代高校生平和大使=広島市西区、自治労会館

 核兵器廃絶を国内外で訴える第25代高校生平和大使の結団式が11日、広島市であった。長崎県を含め17都道府県から選ばれた31人が参加。ロシアのウクライナ侵攻で「戦争や平和への関心が高まっている今こそ、一人一人が伝承者となって発信したい」と決意を新たにした。
 結団式で同大使派遣委の小早川健共同代表(71)は「選考の中で、高校生の考えの深さに驚いた。共に活動できることがうれしい」とあいさつ。31人にそれぞれ任命証が渡された。県立長崎西高2年の宮崎優花さん(16)は「署名を通し、何かしたいと思っている人たちの声を届ける架け橋になりたい」。ロシアの侵攻後、ウクライナの友人からの連絡が途絶えたという福島県立橘高2年の遠藤光さん(16)は「戦争の恐ろしさを理解した。戦争反対を自分の言葉で発信したい」と力を込めた。
 研修として広島平和記念資料館元館長で、被爆者の原田浩さん(82)が自身の被爆体験や広島の平和運動について講話。「被爆者一人一人が悲惨な体験を持っている。自分のことと受け止めて、被爆者の代わりに世界に伝えてほしい」と思いを託した。
 平和大使は1998年に長崎で発足、スイス・ジュネーブの国連欧州本部に核兵器廃絶を求める署名を届けているが、新型コロナの影響で過去2年は渡航を断念している。

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