3年ぶり平和大集会 開催 「ひまわり」に秋月賞贈呈 長崎原爆資料館

秋月平和賞の受賞あいさつをする寺井さん(手前)と「ひまわり」のメンバー=長崎原爆資料館

 第32回ながさき平和大集会が12日、長崎市平野町の長崎原爆資料館であった。開催は3年ぶり。8月9日の平和祈念式典などで合唱を披露してきた被爆者歌う会「ひまわり」に対し、平和運動に貢献した個人・団体を顕彰する秋月平和賞が贈られた。
 集会は核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委が主催。原水禁運動の分裂などで平和運動が停滞していた1989年、被爆医師の故秋月辰一郎氏らの提案で始まった。2020、21年は新型コロナ禍の影響で中止だった。
 ひまわりは04年に発足した「世界で唯一の被者の合唱団」。同市の音楽家、寺井一通さん(73)が主宰し、歌を通して核兵器廃絶や世界平和を訴えてきた。
 10~19年の平和祈念式典に毎年出演していたが、過去2年はコロナ禍の影響で見合わせた。現在の会員は11人。今年4月から毎週の練習を再開し、式典出演は今年が最後になる。
 朝長万左男委員長から賞状を受け取った寺井さんは「コロナ禍と高齢化で会員が激減する中、受賞が大きな励みとなる。祈念式典で歌うのは最後になるが『もう二度と』の思いだけは伝え続けたい」とあいさつ。最年長の会員、宇木和美さん(89)は「これまでの礎を築いてくれた先輩たちに感謝したい」と喜びを語った。
 集会では、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けた「緊急平和アピール」を採択。高校生平和大使やナガサキ・ユース代表団などの活動報告もあった。


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