松山さん(創成館高)チャレンジカップ最優秀賞 県外で被爆講話実現

最優秀賞に選ばれた松山さん=諫早市、創成館高

 全国の小中高校生が自ら決めた目標に挑戦し、どれだけ成長できたかを教育関係者らが審査する民間のコンテスト「チャレンジカップ2022」。コロナ禍の中、被爆者の交流証言者として長崎県外での講話を目標に掲げた創成館高3年、松山咲さん(17)=諫早市多良見町=が高校生部門の最優秀賞を受賞した。
 教育プログラムの開発などに取り組むFCEエデュケーション(東京)が開催している。今回は「小・中学生」「高校生」の2部門に計1808組3057人がエントリー。本選に進んだ参加者は、オンラインでプレゼンテーションした。
 高齢化した被爆者に代わって語り継ぐ交流証言者は、長崎平和推進協会が長崎市の委託を受け募集、育成している。中学2年生でデビューした松山さんは、長崎で被爆した池田道明さん(83)=西彼長与町=の体験や思いを伝えてきた。
 ただ、コロナ禍で講話活動そのものが相次いで中止に。だが、核兵器禁止条約の発効で核を巡る国際社会の連帯や被爆国日本の対応が問われる中、多くの人に核問題や平和の尊さについて考えてもらいたいと、自身にとって初めての県外での講話実現を目標に「チャレンジカップ」にエントリー。いつでも講話に行けるよう、予備知識がない人にも分かりやすい原稿を作り、練習を重ねるなどして備えた。
 昨年10月、愛知県の高校への派遣が実現。その年、同県から初めて高校生平和大使が選ばれた話題にも触れながら生徒や教職員に講話した。プレゼンテーションでは一連の経緯を紹介。「コロナだから全ての活動を諦めるのではなく、コロナ禍だからこそできる活動を模索していきたい」と結んだ。
 最優秀賞は大賞に次ぐ賞。松山さんは、祖母宅が平和公園の近くにあったことから平和活動に関心を持つようになった。取材に「講話を聞いた生徒たちが熱心にメモを取り、たくさん質問してくれたのでモチベーションが上がった。平和活動というと固いイメージがあるが、自分にできることから始めてほしい」と話した。


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