「長崎の聖堂シリーズ」山中さん回顧展 教え子が企画 雲仙で9月末まで

山中凱和さん(右)の説明を聞きながら作品鑑賞する出席者=雲仙市、雲仙ビードロ美術館

 長崎県内の教会を描いた「長崎の聖堂シリーズ」で知られる洋画家、故山中清一郎さんの遺作を集めた「回顧展」と「教え子展」が、雲仙市小浜町の雲仙温泉街にある雲仙ビードロ美術館で開かれている。9月30日まで。水曜休館。
 山中さんは大分県出身、東京美術学校(現東京芸大)卒。長崎大教授として後進を育成する傍ら、県展実行委員長、日展参与なども歴任。本県美術の発展、振興に貢献した。2003年に91歳で死去した。
 回顧展は、同館が山中さんの遺族から作品16点を寄贈されたのを受けて開催。同館所蔵の山中さんの作品などと合わせ、荘厳な聖堂や気品ある女性を描いた計20点を展示。山中さんに師事した“教え子”の画家15人の20点も並ぶ。
 19日にあった開場式には教え子ら約20人が出席。山中さんに師事した生駒輝彦館長(75)が「山中先生への恩返しの回顧展を開くことができた。私たち教え子も70、80代になったが、心臓が止まるまで前進しよう」とあいさつ。美術団体、日洋会会員の山中凱和さん(81)が作品解説し、「作品の空気感や、作品ににじむ山中先生の人柄をそれぞれの思いで感じてほしい」と紹介した。


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