戦争、原爆の怖さ 若者に発信 白黒基調「キッズゲルニカ」 長崎・純心女子高美術部

キッズゲルニカの制作に取り組む美術部員ら=長崎市、純心女子高

 長崎市の純心女子高(佐古照美校長、357人)の美術部員ら約15人が、平和への思いを込めた大型絵画「キッズゲルニカ」を制作した。カラフルな折り鶴の背景に崩落した浦上天主堂などを白黒で描き、原爆や戦争の怖さを強く表現した。8月に同市松山町の爆心地公園そばの下の川沿いに展示する。

 子どもを支援する奉仕団体「長崎キワニスクラブ」が、未来を担う若者世代に平和や反核を訴える作品を描いてほしいと、同校に制作を依頼した。
 生徒らは、デザインや下絵を約2週間かけて考え、2日に制作を開始。ピカソが壁画「ゲルニカ」に込めた反戦への思いを共有し、同サイズの縦3.5メートル、横7.8メートルのキャンバスに「長崎版のゲルニカ」を描き、6日に完成させた。
 生徒らはモノクロ写真で戦争や被爆について学ぶことが多い。浦上天主堂のほか、被爆マリア像や焼き場に立つ少年など、長崎の被爆の実相を伝えるモチーフを白と黒を基調に描くことで、若い世代に実相がより伝わるのではと考えた。色とりどりの折り鶴は、同校生徒が毎年平和祈念式典で合唱する「千羽鶴」の歌詞から着想を得た。
 中心となってデザインを考案した部長の村川小雪さん(17)は「被爆校として、今まで学んできた戦争の恐ろしさや過ちを繰り返してはいけないという思いを込めた」と話した。

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