5月の戸町石垣崩落 盛り土へ沈下が原因か 長崎市、拡大防止策費可決

長崎市戸町3丁目で発生した石垣崩落現場(5月16日撮影、市地域整備2課提供)

 長崎市議会は12日、臨時会を開き、5月に戸町3丁目で発生した石垣崩落の被害拡大を防ぐ対策費1850万円を盛り込んだ本年度一般会計補正予算案を可決した。市は建設水道委員会で、盛り土の上に設置された石垣が経年劣化や地下水の影響で沈下したのが原因と推定されると説明した。
 市地域整備2課によると、5月12日午後7時ごろ、幅約18メートル、高さ6~10メートルにわたり、民家の土台部分や里道の石垣が崩れた。6月10日時点で里道の上下4世帯6人が避難している。周辺の宅地は約50年前に造成されたという。
 ボーリング調査や住民からの聞き取りを基に、崩落は計2回発生したと推定。まず土台部分の石垣の角が崩れ、その後、土台部分下の里道を巻き込む形か、里道が先に崩れて土台部分も巻き込む形で崩落したとみられる。
 被害拡大防止策は、里道付近に仮設の防護柵を設置。重機搬入の道幅を確保するため、進入ルートの市道の手すりを撤去し、側溝を改修する。年内の工事完了を目指す。本格復旧には里道上の民家2軒も同時に施工する必要があるため、住民側と方策について引き続き協議する。
 補正予算の総額は11億2300万円。原油価格・物価高騰やポストコロナの緊急対策を盛り込んだ。


© 株式会社長崎新聞社