椎名誠さん写真で旅の足跡たどる 岡山で展示会、砂漠や極寒の街

世界各地の風景を撮影した椎名さんの写真

 作家で写真家の椎名誠さん(78)=東京=が世界中で出会った人々や動物、風景を切り取った写真展「生きている」が、岡山市南区浜野のカフェZで開かれている。灼熱(しゃくねつ)の砂漠から極寒の街まで辺境を旅した足跡が感じられる作品が並ぶ。24日まで。

 1980~90年代に訪れ、フィルムカメラで撮ったモノクロの37枚。夏に気温が50度に達するオーストラリアの砂漠では、地面に放置されていた人間の頭蓋骨とシャッターを切る自らの頭部の影を収めた。北極に近いロシアの街では、海に張った氷に穴を開けて釣りをする男性と釣った瞬間に凍る魚を捉えた。

 ミャンマーの水路で小舟に乗る人々や、南米のパタゴニア地方の岩場で群れになるペンギンも目を引く。

 展示に際し、椎名さんは「撮ってきた風景はいつまでもぼくの手元にある。見てきた世界をわしづかみしているような気持ちもあり、なんだかうれしい。旅先で出会ったたくさんの命に感謝します」とコメントを寄せた。

 東京で写真ギャラリーを営む杉守加奈子さん(49)=岡山市出身=が、椎名さんと交流があった縁で実現した。入場無料。午前11時~午後7時(最終日は午後6時まで)。18、19日は休み。

椎名誠さん

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