岡山・金山寺山門の修復現場公開 市重文 工事用足場登り瓦や壁見学

ふき替えられた山門の瓦に見入る市民ら

 岡山市北区金山寺の金山寺で19日、市重要文化財の山門の修復現場が市民に公開された。老朽化のため昨年11月に工事に着手。現在は屋根瓦のふき替えを終え、建物のゆがみを直した段階で、来年3月の完了を予定している。

 約40人が山門(高さ約9メートル)の周りに組まれた工事用の足場を登り、瓦や壁を見学。傷みが少ない瓦は再利用することとし、工事の担当者から「瓦の模様がいろいろあり、江戸期の建立以降、何度か修復工事が行われたことが推察できる」「ゆがみを直すため、ジャッキで建物自体を持ち上げて鉛板を柱の下に敷いた」と説明を受けた。

 修復の過程を伝える写真や、工事で出てきた江戸期のくぎも展示。見学した男性(75)=同市=は「修復は喜ばしく、丁寧に工事が進んでいる様子が伝わってきた。完成が楽しみ」と話した。

 山門は岡山藩主池田光政の寄付金で1645年に建立したと伝わり、1965年に市重文に指定された。江戸前期に書家として知られた良尚法親王が揮毫(きごう)した扁額(へんがく)や、山門の中に安置されている仁王像の修復も進める。今秋をめどに、扁額の取り付け作業や仁王像修復の様子も公開する予定。

© 株式会社山陽新聞社