原爆で生徒353人が犠牲となった県立広島国泰寺高校の前身・旧制広島第一中学校の職員や生徒の原爆被害を調査した資料が、原爆資料館に寄贈されました。
資料は、広島国泰寺高校の大林秀則校長から原爆資料館の滝川卓男館長に手渡されました。
小林康秀キャスター
「校内で発見された昭和22年ごろの資料です。破れはしていますが、はっきりと読み取ることができます」
資料は、原爆投下から2年後のもので、在籍していた生徒27人・職員6人の被爆した場所や着ていた服、ケロイドなどの症状について克明に記されています。
バラックで授業を行った当時、被爆した生徒も多い中、保健衛生に力を入れようと学校として取り組んだとみられています。
資料は7年ほど前、校内で見つかりましたが、紙の劣化が進んでいて、このたび、原爆資料館がデジタル化をし、学校側から資料館に寄贈されました。被爆直後の資料の寄贈は、学校単位では初めてだということです。
国泰寺高校 大林秀則校長
「ぜひ活用してもらって、今でも苦しんでいる方に役立ってもらえればと思う」
原爆資料館 滝川卓男館長
「脱毛や白血球の減少など原爆症の症状、当時の健康状態など詳細に調査されている。被爆の実相を示すうえで貴重な資料だと」
原爆資料館では保存作業などをしたうえで、2024年始めに公開したいとしています。