“読書バリアフリー”推進 長崎県、計画策定へ初の懇談会

 長崎県は27日、「読書バリアフリー推進計画」の策定に向け、障害者団体や図書館関係者らによる懇談会を初めて開いた。視覚障害者ら読書が困難な人たちの環境整備を進めるため、本年度中に計画を策定する方針。懇談会の委員からは支援する関係機関の連携強化を求める意見が相次いだ。
 委員11人が出席(オンライン含む)。視覚障害者らの読書環境の現状と課題について意見交換した。計画は視覚障害のほか、発達障害、肢体不自由、知的障害などにより読書が難しかったり、寝たきりになったりしている人などが対象。音声読み上げに対応した電子書籍の充実や、支援する人材育成などを盛り込み、誰もが利用しやすい読書環境の整備に取り組む。
 図書館関係の委員は、図書館やボランティア団体などが独自で支援制度に取り組んでいるものの、周知不足のため、活用が進んでいない現状を報告。医療関係者からは「(視覚障害者と接点の多い)眼科医が(各種制度を)患者に伝えることも効果的では」との意見もあった。
 今後、懇談会やパブリックコメント(意見公募)などを経て、来年3月に計画を策定・公表する予定。
 国は2019年6月に施行の読書バリアフリー法に基づき、20年7月に基本計画を策定。各都道府県での計画策定が努力義務となっている。県教委生涯学習課によると、21年度に11道府県が策定、22年度は本県を含む5県が予定しているという。

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