過去最多94カ国 式典参加予定 ウクライナ侵攻で平和の思い強まる

 長崎市は1日、9日の「長崎原爆の日」に同市松山町の平和公園で開く平和祈念式典に、過去最多の94カ国と欧州連合(EU)の代表が参列予定と発表した。過去最多の理由について市は「ウクライナ侵攻を受け平和への思いが強まったことが考えられる」としている。
 これまで過去最多は被爆70年の2015年の75カ国だった。市は、ウクライナ侵攻を続ける核保有国ロシアと、同国を支援するベラルーシを除く155カ国の駐日大使らを招請。初参加は北マケドニアとマルタ。核保有国はイスラエル、インド、英国、中国、フランス、パキスタンが出席予定。米国は調整中。
 国連からは、中満泉・事務次長兼軍縮担当上級代表がグテレス事務総長の代理として出席予定。
 新型コロナ感染防止のため取りやめていた一般参列を3年ぶりに再開。6月末までの事前申し込みに622人が応募し、参列者全体で1700人規模となる。
 式典は午前10時40分から65分間で例年並みに戻り、冒頭には被爆者歌う会「ひまわり」が3年ぶりに合唱。屋内会場は出島メッセ長崎(尾上町)に1350席、長崎原爆資料館ホール(平野町)に170席をそれぞれ設ける。
 安倍晋三元首相の銃撃事件を受け、県警と連携し、巡回など警備体制を強化する。


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