入院被爆者減少1238人 長崎原爆病院 昨年度、コロナ禍も影響

診療概況を発表する谷口院長(右)ら=長崎市茂里町、日赤長崎原爆病院

 日赤長崎原爆病院(長崎市、谷口英樹院長)は2日、2021年度の入院被爆者は前年度より187人少ない1238人で、入院患者全体の15.8%だったと発表した。平均年齢は82.9歳だった。
 谷口院長は減少の要因について、被爆者数自体が減っていることに加え、コロナ禍に伴う受診控えやコロナ病床確保の影響があると分析している。
 入院した被爆者の疾患で最も多かったのは、悪性新生物(がん)の502人で40.6%。がんの分類では肺がんが107例で最も多く、骨髄異形成症候群83例、白血病49例と続いた。
 外来受診者では、全外来患者に占める被爆者の割合は16.0%(前年度比1.6ポイント減)。被爆2世は20.7%(0.3ポイント増)。
 新型コロナの影響で在外被爆者支援事業などを中止した。今年秋に4年ぶりに再開する予定で、谷口院長は「被爆者への医療は大きな柱の一つ。コロナで不透明なところはあるが貢献したい」と述べた。
 日赤長崎原爆諫早病院(諫早市、福島喜代康院長)も同日、被爆者診療の概況を発表。21年度の入院被爆者数は前年度より27人少ない200人で、入院患者全体の13.7%だった。

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