子どもら130人が平和誓う 長崎で「慰霊式」 原爆殉難教え子と教師悼む

慰霊式で折り鶴をささげる小学生=長崎市平和会館

 長崎原爆で犠牲になった児童生徒や教職員を悼む「原爆殉難教え子と教師の慰霊式」が3日、長崎市平野町の市平和会館であり、小中高生約50人を含む約130人が平和への誓いを新たにした。
 1982年に校長会や教職員組合などが「原爆殉難教え子と教師の像」を建立したのをきっかけに、像の維持委員会(小田恒治委員長)が慰霊式を毎年開催。今年は新型コロナ禍以前と比べ規模を縮小して実施した。
 参列者は犠牲者のために黙とうをささげた。小田委員長はロシアによるウクライナ侵攻に触れ「21世紀の世界で起きていることかと言葉を失う。世界の核廃絶の願いを踏みにじり、断じて許されない」と非難。「最大の敵は忘却と無関心。殉難された皆さま方の無念を次世代へ引き継ぐ」と慰霊の言葉を述べた。
 児童生徒を代表し、市立西浦上中3年の相庭和花(のどか)さん(14)が登壇。「人類は話し合うことで争わず平和への意思を確かめ合える。それなのに、今も罪のない人の血や涙が流れ続けている」と指摘し、「核によりもたらされる恐怖の均衡は本当の平和とは言えない。この事実を語り継ぎ、平和への一歩を踏み出すことを誓う」と力強く語った。その後、折り鶴の奉献と献花があった。


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