原爆の惨状、まざまざと 諫早市で巡回パネル展 市が4会場で企画

原爆の惨状、平和の尊さを伝える巡回展=諫早図書館

 長崎原爆の惨状、平和の尊さを写真パネルや核廃絶を願う被爆者の手記などで伝える巡回展が長崎県諫早市東小路町の諫早図書館で開かれている。
 諫早には負傷した被爆者らが救援列車で搬送。諫早駅に近い天満町の百日紅(さるすべり)公園には当時市営火葬場があり、息絶えた犠牲者が荼毘(だび)に付された。同所で火葬された遺体は400~500体と伝えられるなど、諫早は長崎原爆と関わりが深い。巡回展はロシアのウクライナ侵攻で核使用の脅威が高まる中、平和な世界の実現のために「私たちができること」について考える機会にしてもらおうと、市が4会場で企画した。
 このうち、2会場目となった同図書館では、負傷者が運び込まれた新興善特設救護病院や倒壊した浦上天主堂、原爆孤児らを記録した写真、荼毘に付す様子を被爆者が描いた絵のパネル、ポスターなど約50点と手記を展示。長崎に原爆が投下されるまでの経過や原爆が人体に及ぼした影響なども説明している。
 会場を訪れた市立長田小4年、林利華子さん(10)は「みんながけんかしないで仲良くすれば戦争はなくなる。そうした世界になってほしい。見て感じたことを夏休みの自由研究にしたい」と話した。
 同図書館での開催は10日まで(月曜休館)。その後、高来西ゆめ会館(13~21日)、森山図書館(24~29日、火曜休館)で開く。


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