長崎IR 米金融大手から10億ドルの資金確保

 長崎県が佐世保市のハウステンボスへの誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の資金調達について、事業者が米金融大手キャンター・フィッツジェラルドから10億ドル(約1350億円=5日午後11時現在)規模を調達する方向で調整していることが5日、分かった。カナダの投資会社クレアベスト・グループも最大5億ドル(約675億円=同)の出資をする予定で、北米企業を軸に資金を確保する。
 県はIRを手掛ける事業者に「カジノオーストリアインターナショナルジャパン」(CAIJ)を選定。IRの運営主体となる特定目的会社「KYUSYUリゾーツ」を中心に資金調達を進めているが、出資や融資する企業は公表していない。
 関係者によると、キャンターは出資、融資の両面で支援。クレアベストとともに最大級の出資企業となる見通し。両社はIR誘致の申請を断念した和歌山県の計画にも参加意向を示していた。
 IR事業者はこのほか、カリブ海地域や香港の企業から出資を受けるほか、米不動産サービス大手CBREや欧州の大手金融機関からも借り入れる方針。国内のメガバンクや大手企業とも調整している。
 長崎IRの総事業費は約4383億円。このうち、借入金などが約2630億円、出資金が約1753億円と想定している。


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