九州新幹線長崎ルート 与党委員長が佐賀訪問意向 盆明け以降、山口知事と面会調整へ

「佐賀県の理解を得て円満に解決したい」と話す森山氏=東京

 九州新幹線長崎ルート与党検討委員会の森山裕委員長(自民党衆院議員、鹿児島4区)は8日、本紙のインタビューに応じ、盆明け以降に佐賀県を訪問し山口祥義知事と面会したいとの意向を明らかにした。
 東京の衆院議員会館で取材に答えた。今後、日程調整を佐賀県側に申し入れるという。
 同ルートの新鳥栖-武雄温泉(佐賀県)は整備方式が決まっていない。与党は「フル規格が適当」とし、長崎県やJR九州も求めているが、佐賀県は整備費の財政負担や在来線の取り扱いなど複合的な課題があるとして反発している。
 森山氏は昨年12月に委員長に就任し、今年2月に東京で山口知事と面会した。森山氏は8日の取材に「礼儀上も一度は佐賀県を訪れて知事と県議会にあいさつをしたい。お盆明けのどこかで行きたいと考えており、知事の話をよく聞きたい」と述べた。
 国土交通省はこれまで佐賀県の求めに応じ、当初想定していた佐賀駅を通るアセスルートに加え、佐賀市北部ルート、佐賀空港ルートの比較検証結果を提示。投資、収支改善の効果はいずれも佐賀駅ルートが最も高いとしたが、同県は反発。森山氏は「どのルートを通るにしても佐賀県の理解をいただいて円満に解決したい」と話した。
 また同省は当初、西九州新幹線(武雄温泉-長崎)の来月23日開業を受け、新鳥栖-武雄温泉の来年度着工を目指していたが、事実上不可能な状況。長崎県は北陸新幹線(敦賀-新大阪)と一体となった整備財源確保を望んでおり、それが遅れることを懸念しているが、森山氏は「(北陸新幹線と)歩調を合わせたい」と述べた。
 森山氏は「九州全体の発展のために長崎ルートがどういう役割を果たせるかを考えなければならない。(九州新幹線)鹿児島ルートでも明らかなように広島、岡山、関西方面から訪れる人が増える。佐賀県の将来のためにも早く(フル規格で全線を)つないだ方がいい」と指摘した。


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