得意分野で島原を活性化 県立高5校が共創プロジェクト始動 10月からカフェ運営

5校の共創プロジェクトに向け、アイデアを出し合う生徒たち=島原市、島原商業高

 長崎県島原市内にある県立高5校の生徒らが、各校の得意分野を生かし、校外で協働して取り組む初の企画「島原市と島原5校の共創プロジェクト」を進めている。第1弾の活動は10月15日、同市中堀町の一番街アーケードでカフェやマルシェを開き、島原の町を元気づける。
 5校は、島原高、島原農業高、島原工業高、島原商業高、島原特別支援学校。県教委によると、県教委関係者と各校長、古川隆三郎島原市長らが4月、それぞれ意見交換する中で、「農業や商業、工業など専門学科のある県立高が密集する地域は珍しい」などの声が上がったという。各校の特色を地域活性化につなげようと、県教委と市も交え、同プロジェクトがスタートした。
 8月29日、同市城内1丁目の島原商業高で第1回生徒実行委員会があり、生徒や教員ら約20人が参加。各校が取り組みたい内容やアイデアを持ち寄った。
 10月15日に開くカフェは、島原農業高の生徒を中心に運営する。場所は、一番街アーケード内のデイサービスセンター宝生園中堀町の喫茶スペース。12月まで毎月1回開く予定。
 島原商業高の生徒が同アーケードの空き店舗を活用した期間限定店舗「島商(しましょ)ップ」も近くにあり、開店日に合わせてカフェを開く。来店者が両店舗を行き来しやすいよう、割引券を贈るアイデアも盛り込んだ。ほかの生徒はカフェをPRする動画作成、カフェで使う看板や食器、インテリアの製作などを進める。
 生徒たちは「市役所前の大型ビジョンで動画を流して集客したら?」「島商ップ内で小中学生向けの勉強会を開いたら、保護者はカフェでくつろげる」「プロジェクションマッピングで、カフェに合ったレトロな雰囲気が出せないか」など積極的に意見を出し合った。
 島原農業高2年の川田紗矢さん(16)は「せっかく5校が集まってカフェを開くので、みんなの良いところを生かして成功させ、島原の人を喜ばせたい」と話した。


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