お風呂に「癒やし」 長崎県産のヒノキとダイダイ使用 向陽高エステ科が入浴剤を開発

開発した入浴剤をPRする生徒=大村市役所

 長崎県大村市西三城町の向陽高エステティック科3年の生徒30人が、県内産のヒノキやダイダイを使ったオリジナルの入浴剤を開発した。石油由来の香料を使用せず自然本来の優しい香りが楽しめる。生徒は「心を込めて作った入浴剤を地域の人に手に取ってもらうとともに、向陽高のことを知ってもらいたい」と話している。
 エステティシャンの資格取得などを目指す同科では、アロマセラピーも学んでいる。その知識を生かして商品開発しようと、1年ほど前から課題研究の一環で取り組んできた。
 生徒らは県内企業の協力を得ながら、ヒノキとダイダイをベースに、組み合わせるアロマの種類や配合量などを研究。計6種類の香りを作り、全校生徒を対象とした投票で商品化する1種類を決めた。

県産の素材を使った入浴剤「オレンジ・ルポ」

 販売するのは、ベースの素材にラベンダーやローズマリーなどの香りを組み合わせた入浴剤。商品名はフランス語で「癒やし」を意味する言葉を取り入れ「オレンジ・ルポ」に。ラベルも性別に関係なく使ってもらえるよう、ベージュを基調としたシンプルなデザインにした。1個360円。11月3日の文化祭のほか、市内のイベントなどで販売予定という。
 8月31日には生徒3人が市役所を訪れ、市職員に200個を贈った。園田裕史市長は「木の香りがしっかりしており、他の香りとのバランスがちょうど良い。パッケージもかわいく、商品名も語呂が良い」と話した。3年の杉本光悠さん(17)は「生産者の視点でいろいろ調べて作り上げるのは大変だったが、それ以上に楽しく、形になることがうれしかった」と話した。


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