連勝スタート

 「相撲を見ていて、いちばん見応えがあった力士。もっと勝ち星を挙げた人はいるが、敢闘精神というか、一生懸命取る。若手の相撲というのはこういうもんだよな、と」。辛口の好角家として知られる漫画家、やくみつるさんが先場所の相撲をこう評していた。大絶賛だ▲スポーツ紙のデータによると、大相撲の幕内力士42人の平均身長は183.7センチ、平均体重は158.7キロ。174.9センチ、133.8キロは、身長も体重も下から数えた方が早い。「小細工を使わず…技とかあんまりできないんで、前に出る…。気持ちで負けないように」と大きな相手に挑む▲一昨日開幕した大相撲九月場所で、本県出身者では11年ぶりとなる新入幕を果たした平戸海関(平戸市出身)。初日から元気よく白星を二つ並べている▲昨日の取組では立ち合いで素早く左の前回しを引くと、そのまま休まず突進して寄り切った。所要時間3秒5。早かった、完璧です、と思わず自画自賛のスピード相撲▲「引いたら負け、という気持ちでやってます。一番一番しっかり集中して取りたい」。猛稽古が支える真っすぐな取り口で人気も急上昇中▲“首位並走中”はいくら何でも気が早いか。いやいや「江戸の大関より故郷の三段目」という言葉もある。熱い声援で奮闘を見守りたい。(智)

© 株式会社長崎新聞社