恐竜の骨格標本や研究成果紹介 岡山理科大「博物館図鑑」出版

館内で完成したガイドブックを手にする石垣館長

 岡山理科大恐竜学博物館(岡山市北区理大町)は、展示物や研究の全容を紹介するガイドブック「恐竜学博物館図鑑」を岡山文庫から出版した。館が誇る貴重な骨格標本のほか、研究成果、同大がモンゴル・ゴビ砂漠で続けている発掘調査の模様なども解説している。

 全身の骨格標本が展示されているアジア最大の肉食恐竜タルボサウルスは、大きくて頑丈な頭骨と短い前脚を持っており、有名なティラノサウルスに近い種類の恐竜と説明する。

 同大などの研究グループが昨年、2004年に淡路島(兵庫県)で見つかった化石を新種の植物食恐竜だと突き止め「ヤマトサウルス・イザナギイ」と命名した経緯など、研究成果にも触れている。

 発掘を続けるゴビ砂漠については、恐竜が生息していた時代の地層が地表に露出し、恐竜化石を多く発見できる宝庫と紹介。砂地が広がる現地の様子や化石を地面から掘り出す作業の写真を掲載した。

 ガイドブックは来館者の要望を受けて制作。執筆には石垣忍館長を中心に学芸員、同大の教員らが携わった。石垣館長は「本を手に見学し、恐竜や発掘調査への興味を深めてほしい」と話している。

 同博物館は18年に開館し、林原自然科学博物館から引き継いだ標本も含め計150点を収蔵している。

 文庫判、156ページ。990円。

出版された「恐竜学博物館図鑑」

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