西九州新幹線開業で誘客に意欲 長崎、佐賀がJRと全国観光キャンペーン

改札から出てくる乗客を小旗を振って歓迎する関係者=JR長崎駅

 長崎、佐賀両県とJRグループが10月から3カ月間、全国展開する大型観光PR「佐賀・長崎デスティネーションキャンペーン」(DC)のオープニングセレモニーが2日、長崎市尾上町のJR長崎駅であった。大石賢吾知事は式典で「佐賀県と共同で実施することで相乗効果が発揮され、西九州新幹線の開業効果の最大化にもつながる」と誘客に意欲を見せた。
 同日午後、大石知事や佐賀県の山口祥義知事、JR九州の古宮洋二社長らが、武雄温泉発の観光列車「ふたつ星4047」で長崎駅に到着した乗客を歓迎。関係者がテープカットをしてDCのスタートを祝った。古宮社長は「3カ月で終わることなく佐賀、長崎に経済効果をもたらし、もっと元気になってほしい」と期待を寄せた。
 山口知事は「両県の文化や歴史、温泉など素晴らしいものを(コロナ禍で)殺伐とした世の中に新しい旅の形として提供していく」とあいさつ。一方、式典後、報道陣に全線フル規格への考えを問われ「これから十数年はこの形。そっち(フル規格)の議論ばかりやるのが本当にいいことなのか」と疑問を投げかけた。
 DCでは、西九州新幹線かもめやふたつ星などを利用した多彩な観光メニューを準備。島原鉄道や松浦鉄道など他の交通事業者と連携した周遊きっぷも販売し、新幹線の沿線外の魅力も発信していく。


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