新型「やくも」ブロンズ色の車体 たたら製鉄イメージ 24年春登場

JR西日本が初公開した特急「やくも」の新型車両のデザイン(JR西日本提供)

 JR西日本は20日、岡山―出雲市間を結ぶ特急「やくも」用に新開発した車両「273系」のデザインを公開した。3代目に当たり、大山から望む朝日やたたら製鉄をイメージしたブロンズ色を車体色に採用するなど、内外装に山陰地方の歴史、風土の要素をふんだんに取り入れた。2024年春にお目見えする。

 シンボルマークを新たにデザイン。名前の由来で、古語の「出雲」にかかる枕ことば「八雲立つ」にちなみ、重なり合う雲を描いた。内装は自然や神話の国にちなんだ。普通車の座席は沿線の山々に着想を得た緑色を基調に、魔よけの意味のある麻の葉模様をあしらった。グリーン車の座席は富や長寿を表す亀甲模様としている。

 やくもはカーブの多い伯備線を高速で走るため、遠心力で車体を傾ける「振り子式車両」を採用してきた。新型では振り子の制御装置を改良して揺れを減らし、乗り心地の改善を図る。テーブル付きのグループ席も4組設ける。11編成、44両を投入する計画。更新費は約160億円。

 同社は「快適性をアップし、移動時間も楽しい旅を提供したい」とする。

 やくもは、山陽新幹線岡山開業に合わせ、1972年3月に運行を開始。山陽、伯備、山陰線を経由する。現行の2代目「381系」は82年に導入された。

新型「やくも」普通車の内装

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