岡山市の後楽園で24日、江戸時代に岡山藩主の居間として使われていたとされる「延養亭」の秋の特別公開が始まった。園内を最も美しく見られるように造られたとされる建物で、観光客が“殿様目線”で絶景を楽しんでいる。30日まで。
障子を開けた主室(約10畳)からは、赤く色づき始めた木々や緑の芝生、沢の池が眼前に。訪れた人たちはゆったりと名園の景色を眺めたり、スマートフォンのカメラで撮影したりしていた。
兵庫県豊岡市から夫婦で来た自営業の男性(68)は「藩主と同じ景色を見ていると思うと優雅な気分。手入れが行き届いており、松の枝ぶりが見事」と話した。隣接する茶室「臨〓軒(りんいけん)」や藩主池田家伝来の脇息(きょうそく)、敷物も公開された。
(〓はサンズイにケモノヘン、右に奇)
延養亭は17世紀後半に建てられ、1945年に岡山空襲で焼失したが、60年に再建された。例年5月と10月に公開している。
特別公開は1日6回(各20分)あり、予約優先で各回定員10人。参加料600円(入園料別)。問い合わせは後楽園事務所(086―272―1148)。