真庭市久世地区で26日夜、江戸期から続く伝統の「久世だんじり喧嘩(げんか)」が繰り広げられた。舟形のだんじりを幾度も激突させる光景は迫力満点。新型コロナウイルス禍で3年ぶりの“復活”となった秋の風物詩に見物客らが酔いしれた。
午後6時ごろ、全長約5メートル、重さ約2トンの9基が中心部の「喧嘩場」に集結。かねと太鼓の音が鳴り響く中、振り上げられるちょうちんを合図に、対峙(たいじ)した2基がぶつかり合った。
先端を鉄材で補強しただんじりは「ゴーン」と鈍い音を立て左右にうねり、衝撃のあまり半回転することも。男衆は「オイサ、オイサ」の掛け声とともに熱気を高め、ひときわ大きくぶつかれば拳を突き上げ、喜びをかみしめていた。
コロナ禍以前は毎年のように撮影に訪れていたという観客(80)=岡山市南区=は「激しくぶつかり合うだんじりは撮りがいがある。こうした祭りが見られるようになりうれしい」と話した。
だんじり保存会はコロナ感染拡大防止のため、事前告知を控え、来場者に間隔を空けるよう注意喚起し、参加者には抗原検査を義務付けるなど徹底した対策で25、26の2日間催した。