ホンダは28日、長崎県五島市で早朝に競り落とされた鮮魚を午後に東京のスーパーに輸送する実証事業をした。関東でスーパーを運営するマルエツ、ヤマト運輸との共同事業。五島から東京まで小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」で空輸し、鮮魚は競りから約7時間後に店頭に並んだ。ホンダなどは今後、本格実施を見据えて実証事業を継続する。
ホンダは、都市と地方の新ビジネス創出などを目的に、自社の小型ジェット機を活用して自動車などの輸送手段と組み合わせる物流サービスを展開する方針を掲げている。実証事業は初めて。高単価が見込め、NHK連続テレビ小説の舞台という話題性などから五島の鮮魚に着目した。
スーパーの依頼を受けた仲買人が市福江魚市場で高級魚クエやブリ、旬のキビナゴ、ヒラマサなど12箱分(計120キロ)を競り落とし、ヤマト運輸が福江空港に輸送。トラックを小型ジェット機(定員6人)に横付けして積み込んだ。客席の上に積み荷を固定して小型ジェット機は成田空港に向け出発。鮮魚は午後2時ごろ、都内のマルエツ板橋南町店の売り場に並んだ。
ホンダの担当者は「小回りの利く機体なので、(五島と東京のように)直行便のないルートでも迅速に取れたての状態で運ぶことができた。要望に応じて随時サービスを提供できるようにしたい」と手応えを話した。