「国鉄カラー」で鉄道の旅満喫 津山―智頭間、スローライフ列車

美作加茂駅に到着した国鉄カラーのノスタルジー号

 旧国鉄時代の装いを再現した観光列車で巡る「みまさかスローライフ列車」が5日、JR因美線津山―智頭間で運行され、家族連れらが沿線風景や昔ながらの駅舎などを楽しむ鉄道旅を満喫した。

 観光列車は「国鉄カラー」と呼ばれる朱色とクリーム色のツートンカラーの車体に、同線全線開通90周年記念のヘッドマークを付けたノスタルジー号(3両編成)。乗客115人が昼前に津山駅を発車し、那岐駅(鳥取県智頭町)までの各駅で地元住民らから歓待を受けながら、約4時間半かけて往復した。

 映画「男はつらいよ」(1995年)のロケ地になった美作滝尾駅(津山市堀坂)では、みまさかローカル鉄道観光実行委員会メンバーが扮(ふん)する“寅さん”が出迎え、寅さんのいでたちをしたファンらと記念撮影。美作加茂駅(同市加茂町桑原)では、乗客が地元食材を使った弁当を買い求めたり、駅員らによるタブレット(通行手形)交換のデモンストレーションを見物したりした。

 祖母と乗車した同市立広戸小6年男子(12)は「国鉄カラーの列車に乗れてうれしい。走る音や乗っている時の列車の揺れが気持ちよかった」と笑顔を見せた。

 観光列車はJR西日本岡山支社と実行委が2007年から運行。6日も1往復する予定で、津山駅を午前11時48分出発、午後4時17分に到着する。全車両指定席で若干数残りがある。

“寅さん”のいでたちをした乗客らでにぎわった美作滝尾駅

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