トイレに生理用品 学校から実現を 岡山の高校生らシンポで議論

どうすれば学校や公共施設の女性用トイレに生理用品を常備してもらえるかを話し合う出席者

 経済的理由で生理用品を買えない「生理の貧困」の解消をテーマにしたシンポジウムが12日、岡山市北区北長瀬表町、ブランチ岡山北長瀬内のハッシュタグ岡山で開かれた。高校生や女性支援団体、行政の関係者らが、学校や公共施設の女性用トイレに生理用品が常備される社会の実現について議論を深めた。

 生理の貧困は、山陽新聞社が紙齢5万号を記念して8月に開いた「高校生大討論会」でのテーマの一つとなった。参加者から議論継続の要望を受け、SDGsネットワークおかやまの石原達也会長が企画し、コーディネーターを務めた。

 シンポを提案した沢田まりあさん、山形萌花さん、山領珊南さん=いずれも岡山後楽館高2年=は実験的に1カ月間、校内のトイレに生理用品を置き、多くの利用があったことを報告。「県内の全公立高校に置いてもらえるよう、署名活動をしたい」と述べた。

 ひとり親家庭などを支援するNPO法人オカヤマビューティサミット(岡山市)の柚木幸子代表理事は「命の大切さを学ぶためにもタブー視せず、議論を重ねる必要がある」と指摘した。

 瀬戸内市の生田浩子・市民課長補佐は、市内の公共施設で無料配布していることを説明。議会で同問題に関する質問をしたことがある県議2人と岡山市議は、生理用品の無料提供は議会内、執行部双方に十分に理解されていない現状を話した。

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