南島原・山口副市長の再任不同意 反対多数、新市発足後初

 定例南島原市議会は20日、最終本会議を開き、今月31日で2期目の任期が満了となる山口周一副市長(74)を再任する人事案を反対多数で不同意とした。市によると、主要ポストの副市長不在は、2006年の新市発足後初めて。松本政博市長は「行政運営に必要な経験と知識を持った方だけに残念」と話した。
 人事案は無記名投票で採決が行われ、賛成7、反対11で不同意となった。山口副市長は県総務部理事など経て、15年1月から現職。松本市長は再提案について「まだ分からない」と言及を避けた。
 市民団体が来春公開を目指している「聖マリア観音像」の関連整備費約5千万円が不足し、市へ財政支援を求めた請願は賛成多数で採択した。請願に法的拘束力はないが、市民団体は今後、市に要望できる。15年に「政教分離」を巡り市民から反発の声が上がり、マリア像の受贈を見送った経緯があり、市は難しい対応を迫られている。
 このほか、市議会は原油価格や物価高騰の支援策を盛り込んだ総額5億5400万円の本年度一般会計補正予算案など15件を可決し、閉会した。


© 株式会社長崎新聞社