ペット共生条例案 総社市議会否決 人への支援 制約されかねず

 総社市議会は21日、11月定例会に市が提案していたペットと人との共生を掲げた条例案を全会一致で否決した。災害時にペットの同伴が可能な避難所を開設することなどを盛り込んでいたが、人への支援が制約されかねないといった意見が出ていた。

 条例案はペットに優しいまちづくりの一環で提案。ペットを家族の一員と定義し、同伴可能な避難所開設のほか、逃げた場合は市が捜索に協力し、保護した際には飼い主の特定に努めることなどを定め、来年4月の施行を目指していた。

 本会議で条例案に関する討論は行われなかったが、13日の産業建設委員会では「ペット同伴の避難所開設は条例がなくても対応できる」「避難所の運営を制約してしまいかねない」などの意見が出され、否決していた。

 村木理英議長は閉会後の取材に「ペットと共生する必要性は議員共通の認識だが、定義などが明確でなく議論を詰められない。条例として形になっていないと言わざるを得ない」と指摘。片岡聡一市長は「(ペットの)殺処分ゼロのまちを目指しており、否決は残念。再提案についてはこれから考えたい」と述べた。

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