「赤と黒」無限の繁殖エネルギー 浮き草覆う川面 かき分け進む水鳥

くちばしと額の白色が特徴のオオバン。藻などを食べる=岡山市南区浦安南町

 まるで赤いじゅうたんを敷き詰めたようだ。岡山市総合文化体育館(岡山市南区浦安南町)の西側を流れる相生川。笹ケ瀬川との合流部にある水門付近が20日、水面が見えないほどのアカウキクサで埋め尽くされていた。

 アカウキクサはシダ植物の一種で在来と外来種がある。赤さび色の葉は指に乗るほど小さいが、池や用水路での増殖が話題になることが増えている。

 その中を左右に首を振りながら、全長約40センチの黒い水鳥が人を恐れることなく泳ぎ回る。クイナの仲間オオバンだ。時々水面にくちばしを突っ込んで藻などを食べている。この鳥は全国的に数が増えていて、琵琶湖を自転車で一周したときも至る所で見かけた。

 ファインダーの中の「赤と黒」。無限に繁殖しようとする、植物や鳥の種としての不気味なエネルギーを感じた。

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