「笑顔は引力」胸に 男子・瓊浦44位 全国高校駅伝

男子第4中継所、瓊浦の4区川口(右)から5区東にたすきリレー=京都市

 「笑顔は引力」-。男子の瓊浦が大事にする言葉だ。中盤まで最下位という苦しい展開を強いられながらも、仲間からたすきを受ける際は必ず笑顔で走り出す選手たちの姿があった。
 「陸上の長距離はきつい。だからこそ、笑うのが大事。笑っていれば、いいことがある」。山川監督は“合言葉”の意味をそう説明する。腹を割って信頼関係を築き、きつい練習は笑って乗り越える。いい結果が出た時は心の底から喜ぶ。そうやってチームは今年、7年ぶりの都大路切符を手中にした。
 集大成の舞台でもやることは同じ。早い段階で集団から離された主将の1区出口は、走っている時に「こんなきつい10キロがあるのか」と感じたが、自らを鼓舞するように胸のあたりをたたき、笑顔をつくった。44位でたすきを受けた1年生のアンカー水戸も、再び最下位転落の可能性がある中で「こうなったら楽しもう」と腹をくくって走り出し、順位を維持してスタジアムに戻ってきた。
 監督と選手の距離感が近いからこそできるチームづくり。出口は「楽しい3年間にしてもらって感謝している」と言葉に実感を込めた。来年の主力として期待される2区井口も「強豪になるために変えないといけない部分はいっぱいあるけど、瓊浦らしい部分は残していきたい」と独自色のあるチームに誇りを持っていた。


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