『全日本実業団対抗駅伝』元日・群馬 三菱重工、若手が台頭 悲願の日本一へ

入賞常連の三菱重工。今回も優勝争いに絡めるチームに仕上げてきた=長崎市営陸上競技場周回コース

 第67回全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)は来年1月1日、前橋市の群馬県庁前発着コース(7区間100キロ)に37チームが参加して行われる。長崎県から唯一出場する三菱重工は前回、終盤6区に渡るまで首位をキープするなど優勝争いに絡んだ。最終順位は4位だったが、着実に頂点へ近づいている。
 三菱重工は前回の好レースを機に、若手が飛躍のシーズンを迎えた。3区を区間新記録(区間3位)で走破した21歳の林田は、2月の全日本実業団ハーフマラソンを日本歴代8位の記録で優勝。5区でトップを守った山下も2月の大阪・びわ湖毎日マラソンで2位に入り、9月に中国・杭州で開催予定だったアジア大会の代表内定をつかんだ。ベテラン主体のチームにとって若手の台頭はかなり大きい。
 トラックシーズンは総じて目立った結果を出せず、ニューイヤー駅伝予選に当たる九州実業団毎日駅伝も6位という不本意な結果だったが、マラソン練習を重視する三菱重工が強いのは冬。夏以降の計画的な強化合宿で駅伝に適した脚に仕上げている。
 井上、定方ら30歳前後の主軸は安定したたすきリレーが期待できる。新戦力コリルは今夏の米オレゴン世界選手権5000メートルの参加標準記録を突破したスピードランナー。7番手のメンバー選考までこだわり、隙のない布陣で臨みたい。
 前回初優勝したホンダ、上位常連の富士通や旭化成、九州予選を制した黒崎播磨などライバルも多く、どこが勝ってもおかしくない混戦になりそうだ。さらに現役復帰を発表した大迫傑がGMOインターネットグループで走ると表明していることから、例年より注目度も高い。主将の的野は「みんな火がついていい練習ができている。いい走りを見せたい」と悲願達成に向けて意気込んでいる。


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