長野県軽井沢町、ホタル舞う里の豆腐店 北陸新幹線で福井から近くなるまち紹介

原料にこだわり豆腐作りを続ける白ほたる豆腐店の森さん夫妻=長野県軽井沢町発地
ブランド野菜などを扱う直売所「軽井沢発地市庭」=長野県軽井沢町発地

 2024年の北陸新幹線福井県内延伸により時間的に近くなるのは東京だけじゃない。北陸3県を越えて新潟、長野、群馬、埼玉各県のまちにも気軽に出かけられる。一足先に各駅沿線を巡ると、観光スポットやグルメに加え、多くの温かい笑顔に出会えた。

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 人気の寄せ豆腐は湯葉のようなとろみと甘みがあり、塩とわさびが良く合う。長野県軽井沢町の中心部から車で南西へ十数分。浅間山を望む発地(ほっち)地区に「白ほたる豆腐店」はある。

 「いらっしゃい!」。業務用エプロン姿で客を迎える店主の森友実さん。地方暮らしに憧れ、夫の雄大さん(52)と17年前に東京から移り住んだ。

 移住直後の仕事はともにIT関係。室内にこもる日々に「何のために軽井沢へ」と自問した。そんな折、健康食に関心のあった友実さんが、後に「師匠」と呼ぶ群馬県の豆腐職人に出会う。その人は技術の継承者を探していた。

 「やりたい」。直感だった。群馬に1年通って修業し、2013年に店を構えた。雄大さんが近くの畑3.3ヘクタールで大豆を育てる。

 料理人からの評価も高い。高級旅館「星のや軽井沢」には開業直後から出荷を続ける。16年には農産物直売所「発地市庭(ほっちいちば)」に2号店を出した。

 夏には無数の光が舞う「ホタルの里」。自然豊かなこの地で光り輝きたいと店名を付けた。働きづめだが「愛情を注ぐほどおいしくなる。奥深くて楽しいよ」。夫婦の笑顔も豆腐店の“名物”だ。

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軽井沢で見つけた

▽高原の味覚がずらり「発地市庭」

 町有の農産物直売所。延べ床面積約2千平方メートルの建物内に、高原野菜や加工品など軽井沢の味覚を集めた売り場や飲食店が入る。北陸新幹線軽井沢駅から南西約5キロの発地地区に2016年オープン。自然体験施設が集まる同地区の新名所として人気を集める。

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