三菱重工“常連の底力” ニューイヤー駅伝 2年連続4位

競り合いながら4位でフィニッシュする三菱重工のアンカー吉田=群馬県庁前

 第67回全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)は1日、前橋市の群馬県庁前を発着点とする7区間100キロコースに36チームが出場(1チーム棄権)して行われ、長崎県の三菱重工が4時間50分13秒で昨年に続いて4位に入った。入賞は3年連続6度目。ホンダが4時間48分6秒で連覇した。
 三菱重工は1区的野が先頭と7秒差の11位発進。2区コリルが2位に押し上げ、3区林田でトップを奪った。4区井上は一時、単独首位を走るも終盤失速して2位でリレー。5区山下で5位に下げたものの、6区定方が3位に再浮上し、7区吉田が4位でゴールした。
 ホンダは4区小山で先頭に立ち、5区青木の区間賞で首位固め。そのまま逃げ切った。富士通が2位、トヨタ自動車が3位に続いた。

◎若い力が成長 頂点への距離、着実に縮まる

 過去6年で入賞5度の三菱重工が、今年も表彰状を手にした。昨年11月の九州予選は6位と振るわなかったが、本番にしっかりと全国4位に入るあたりが入賞常連の底力。「12月に入ってチームの雰囲気が良くなってきた。最低限の結果を手にできてホッとしている」。主将の1区的野の表情は明るかった。
 1区から何度も先頭をうかがい、3区林田がついに単独首位で中継所へ。序盤で早くも上位リレーを確定させた。4区井上は首位固めができず「きょうは逆にみんなに助けられる形になった。申し訳ない気持ちでいっぱい」と唇をかむが、経験が浅いフレッシュな顔触れが上州路を生き生きと駆け回り「若い力が育ってきている。それぞれの区間で力を出せたのは成長した証」と頼もしい仲間に感謝していた。
 一方で、悲願の初優勝には今年も届かなかった。7人全員の調子がそろわないと勝ちきれないのが駅伝の難しさ。本調子ではない井上に最長区間を任せざるを得ないところに、ライバルとの明確な差が浮かぶ。的野は「現状は6、7人目のメンバー入りのところで争ってしまっている。層の厚さが足りないので、あと一段階の底上げが必要」と認める。
 昨年と同じ4位でも、1位から尻すぼみに順位を下げた昨年と、中盤に後退しても終盤に再度盛り返した今年では意味合いが違うはすだ。黒木監督は「本当に優勝を狙えるチームになってきた。そろそろ勝たないといけないね」と目の色を変える。再チャレンジは1年後。頂点までの距離は、着実に縮まっている。


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